医療フィロソフィー【31-40】

31 全主義を貫く
よく90%うまくいくと「これでいいだろう」と妥協してしまう人がいます。「間違ったら消しゴムで消せばよい」というような安易な考え方が根底にあるかぎり、本当の意味で自分も周囲も満足できる成果を得ることはできません。最後の1%の努力を怠ったがために失敗することもあります。自分自身の努力をさらに実りあるものとするためにも、仕事では常にパーフェクトを求めなければなりません。

32 自ら燃える
物には可燃性、不燃性、自燃性のものがあるように、人間のタイプにも火を近づけると燃え上がる可燃性の人、火を近づけても燃えない不燃性の人、自分でカッカと燃え上がる自燃性の人がいます。何かを成し遂げようとする人は、自ら燃える情熱を持たなければなりません。高校野球では、心から野球の好きな若者たちが、甲子園という大きな目標を目指し、一丸となって生き生きと練習に励んでいます。その姿には、未来への可能性とエネルギッシュな躍動感が感じられます。彼らは自ら燃える集団なのです。自ら燃えるためには、自らのしていることを好きになると同時に、明確な目標を持つことが必要です。

33 仕事を好きになる
仕事をやり遂げるためには大変なエネルギーが必要です。そうしてそのエネルギーは、自分自身を励まし、燃え上がらせることで起こってくるのです。そこで、自分が燃える一番よい方法は、仕事を好きになることです。どんな仕事であっても、それに全力を打ち込んでやり遂れば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦する意欲も生まれてきます。その繰り返しの中で、さらに仕事が好きになります。そうなればどんな苦労も苦にならなくなり、すばらしい成果を上げることができるのです。こうした心境にまで高まって、初めて本当に素晴らしい仕事を成し遂げることが出来るのです。

34 ものごとの本質を究める
私たちは一つのことを究めることによって初めて真理やものごとの本質を体得することができます。究めるということは一つのことに精魂を込めて打ち込み、その核心となる何かをつかむことです。一見してどんなにつまらないと思えるようなことであっても、与えられた仕事を天職と思い、それに全身全霊を傾けることです。それに打ち込んで努力を続ければ、必ず真理が見えてきます。いったんものごとの真理が分かるようになると何に対しても、またどのような境遇におかれようと、自分の力を自由自在に発揮できるようになるのです。

35 渦の中心になれ
仕事は自分一人ではできません。上司、部下をはじめ、周囲にいる人々と一緒に協力しあって行うのが仕事です。その場には、必ず自分から積極的に仕事を求めて働きかけ、周囲にいる人々が自然に協力していくような状態にしていかなければなりません。これが「渦の中心で仕事をする」ということです。職場ではあちらこちらで仕事の渦が巻いています。気がつくと他の人が中心にいて、自分はその周りを回るだけで、本当の喜びを味わうことができないときがあります。自分が渦の中心になり、積極的に周囲を巻き込んで仕事をしていかなければなりません。

36率先垂範する
仕事をする上で、部下や周りの人の協力を得るためには、率先垂範でなければなりません。人が嫌がるような仕事も真っ先に取り組んでいく姿勢が必要です。どんなに多くの、どんなに美しい言葉を並べたてても、行動が伴わなければ人の心をとらえることはできません。自分が他の人にして欲しいと思うことを、自ら真っ先に行動で示すことによって、まわりの人々もついてくるのです。率先垂範するには勇気と信念がいりますが、これを常に心がけ実行することによって、自らを高めていくこともできるのです。上に立つ人はもちろんのこと、すべての人が率先垂範する職場風土を作り上げなければなりません。

37 バランスのとれた人間性を貫く
バランスのとれた人間とは、何事に対しても常に「なぜ」という疑問をもち、これを論理的に徹底して追及し、解明していく合理的な姿勢と、誰からも親しまれる円満な人間性を併せ持った人のことを言います。いくら分析力に優れ合理的な行動を貫くスマートさを備えていても、それだけではまわりの人々の協力を得ることはできないでしょうし、逆にみんなからいい人だといわれるだけでは仕事を確実に進めていくことはできません。私たちが仕事をしていくためには、科学者としての合理性とともに、「この人のためなら」と思わせるような人徳を兼ね備えていなければなりません。

38 常に創造的な仕事をする
与えられた仕事を生涯の仕事として一生懸命行うことは大切ですが、ただそれだけでよいというわけではありません。一生懸命取り組みながらも、常にこれでいいのか、ということを毎日毎日考え、反省し、そして改善、改良していくことが大切です。決して昨日と同じことを漫然と繰り返してはいけません。毎日の仕事の中で、「これでいいのか」ということを常に考え、同時に「なぜ」という疑問を持ち、昨日よりは今日、今日よりは明日と、与えられた仕事に対し、改善、改良を考え続けることが創造的な仕事へとつながっていきます。こうしたことへの繰り返しによってすばらしい進歩が遂げられるのです。

39 利他の心を判断基準にする
私たちの心には「自分だけよければいい」と考える利己の心と、「自分を犠牲にしても他の人を助けようと」する利他の心があります、利己の心で判断すると、自分のことしか考えられないので、誰の協力も得られません。自分中心ですから視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。一方、利他の心で判断すると「人によかれ」という心ですから、まわりの人みんなが協力してくれます。また視野も広がるので、正しい判断ができるのです。よりよい仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人を考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断をすべきです。

40 大胆さと細心さを併せ持つ
大胆さと細心さは相矛盾するものですが、この両極端を合わせ持つことによって初めて完全な仕事ができます。この両極端を併せ持つということは「中庸」をいうのではありません。ちょうど綾を織りなしている糸のような状態を言います。縦糸が大胆さなら横糸は細心さというように、相反するものが交互に出てきます。大胆さによって仕事をダイナミックに進めることが出来ると同時に、細心さによって失敗を防ぐことが出来るのです。大胆さと細心さを最初から併せ持つことは難しいのですが、仕事を通じていろいろな場面で常に心がけることによって、この両極端を兼ね備えることができるようになるのです。
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