医療フィロソフィー【1-10】

1 一日一日をど真剣に生きる
人生はドラマであり、1人1人がその主人公です。大切なことは、そこでどういうドラマの脚本を描くかです。運命のままにもてあそばれていく人生もありますが、自分の心、精神というものをつくっていくことによって、またよりよいものに変えていくことによって、思いどおりの主人公を演じることもできるのです。人生というものは、自分の描き方ひとつです。ボケッとして生きた人と、ど真剣に生きた人とでは、脚本の内容はまるで違ってきています。自分の人生を大事にして、一日一日、一瞬一瞬をど真剣にいきていくことによって、人生はガラリと変わっていくのです。

2 地味な努力を積み重ねる
大きな夢や願望を持つことは大切なことです。しかし、大きな目標を掲げても、日々の仕事の中では、一見地味で単純と思われるようなことをしなければならないものです。毎日 毎日 書物を読むだけでもいいのです。1週間 1ヶ月 1年 一生では、膨大な知識がつき 専門家になっているのです。偉大なことは、地味な努力の一歩一歩の積み重ねがあって初めて出来るということを忘れてはなりません。「自分の夢と現実の間には大きな隔たりがある」と感じて思い悩むことがあるかもしれません。しかし、どのような分野であっても、素晴らしい成果を見出すまでには、地味な努力を積み重ねばなりません。

3 心に描いたとおりになる
ものごとの結果は、心に何を描くかによって決まります。「どうしても成功したい」と心に思い描けば成功します。「できないかもしれない。失敗するかもしれない」という思いが心を占めると失敗してしまうのです。心が呼ばないものが自分に近づいてくることはないのであり、現在の自分の周囲に起こっているすべての現象は、自分の心の反映でしかありません。ですから、怒り、恨み、嫉妬心、猜疑心など否定的で暗いものを心に描くのではなく、常に夢を持ち、明るく、きれいなものを心に描かなければなりません。そうすることによって、実際の人生も素晴らしいものになるのです。

4 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の3つの要素の掛け算できまります。能力と熱意は0点から100点まであり、これらが積で掛かるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方がはるかに素晴らしい結果を残すことができます。これに考え方が掛かります。考え方とは生きる姿勢であり、マイナス100点からプラス100点まであります。考え方がマイナスだと3つの積はマイナスとなり、考え方次第で人生の結果は180度変わってくるのです。それで能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方をもつということが何よりも大切になるのです。

5 ベクトルを合わせる
人間にはさまざまな考え方があります。もし職員がバラバラな考え方にしたがって行動したらどうなるでしょうか。それぞれの人の力の方向(ベクトル)がそろわなければ力は分散してしまい,組織全体としての力とはなりません。このことは、野球やサッカーなどの団体競技を見ればよくわかります。全員が勝利に向かい心を一つにしているチームと、各人が「個人タイトル」という目標にしか向いていないチームでは、力の差は歴然としています。全員の力が同じ方向に結集したとき、何倍もの力となって驚くような成果を生み出します。1+1が 5にも 10にもなるのです。

6 真面目に一生懸命仕事に打ち込む
一生懸命に働くということは、勤勉であるということであり、仕事に対する態度が常に誠実であるということです。私たちが本当に心から味わえる喜びというのは、仕事の中にこそあるものです。仕事をおろそかにして、遊びや趣味の世界で喜びを見出しても、一時的に楽しいかもしれませんが、決して真の喜びを得ることはできません。人の一生の中で最も大きなウエイトを占める仕事において充実感が得られてなければ、結局は物足りなさを感じることになるはずです。真面目に仕事に打ち込み、何かを成し遂げた時にこそ、他には代えがたい喜びが得られるのです。

7 現場主義に徹する
何か問題が発生した時、まず何よりもその現場に立ち戻ることが必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこねまわしてみても、決して問題解決にはなりません。よく「現場は宝の山である」といわれますが、現場には問題を解くためのカギとなる情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、解決につながるヒントを見つけ出すことができるのです。

8 倹約を旨とする。
私たちは余裕が出来ると、ついつい「これぐらいはいいだろう」とか「何もここまでケチケチしなくても」というように、経費に対する感覚が甘くなりがちです。そうなると、各部署で無駄な経費が膨らみ、病院全体では大きく利益を損なうことになります。そしてひとたび、このような甘い感覚が身についてしまうと、状況が厳しくなった時に、あらためて経費を締め直そうとしても、なかなか元に戻すことはできません。ですから、私たちはどのような状態であれ、常に倹約をこころがけなければなりません。出ていく経費を最小限に抑えることは、私たちに出来る最も身近な経営参加であるといえます。

9 フィロソフィーは血肉化しなければ意味がない
知識として得たものを血肉化する。つまり、自分の肉体にしみ込ませ、どんな場面でもすぐにその通りの行動がとれるようにならなければいけません。すなわち、正しい考えを「知っている」だけでは、知らないのとまったく同じことなのです。自らの血肉とし、人生の節々において、また、日々の業務においてその考え方を活かすことができなければ、全く価値はないのです。このようにフィロソフィーを行動規範とし、仕事をする時、大きな誤りは生じないのです。

10 小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり
人間関係の基本は、愛情をもって接することにあります。しかし、それは盲目の愛であったり、溺愛であってはなりません。上司と部下の関係も、信念もなく部下に迎合する上司は一見愛情が深いように見えますが、結果としては部下をダメにしていきます。これを小善と言います。表面的な愛情は相手をダメにします。逆に信念を持って厳しく指導する上司は、煙たいかもしれませんが、長い目でみれば部下を大きく成長させることになります。これが大善です。真の愛情とはどうあることが相手にとって本当に良いかを厳しく見極めることなのです。
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